湿疹

湿疹(しっしん)とは、皮膚の表層に炎症が起こる皮膚トラブルで、皮膚炎とも呼ばれます。赤み、水ぶくれ、かゆみなどの症状が現れます。湿疹の症状は様々であり、重症度や治療期間も異なります。急性湿疹は出始めてから数日以内に現れる湿疹で、早期の治療によって改善されることが多いです。一方、治療しないで放置すると慢性湿疹に移行し、患部が分厚くなったり色素沈着を起こしたりすることがあります。
湿疹の治療には、原因にあったケアを行う必要があります。原因と考えられる物質があれば接触を避け、原因不明でもステロイド薬の外用などで改善が期待できます。
ニキビ
ニキビは、毛穴が詰まることで発生する皮膚の病気で、正式には「尋常性ざ瘡(じんじょうせいざそう)」と呼ばれます。顔や胸、背中など皮脂の分泌が多い部位にできる赤い丘疹で、思春期から青年期にかけてよくみられます。
毛穴の角質が厚くなったり、皮脂が過剰に分泌されたりすることで発生します。毛穴に皮脂が詰まると、アクネ菌が増殖して炎症を引き起こします。
ニキビは、適切な治療をせずに放置すると、ニキビ痕を残す可能性があります。ニキビ跡を残さないためには、早めに皮膚科を受診して適切な治療を受けることが大切です。
じんましん
じんましんとは、皮膚の一部が突然赤く盛り上がり、かゆみを伴う皮膚疾患です。症状は、痒みを伴い、皮膚の盛り上がり方も円形や楕円形、線状など様々です。
じんましんが発生する原因はさまざまなものが考えられますが、原因がわかる場合は原因となる物質の除去・回避を行うと同時に薬物療法により治療していきます。
かぶれ
かぶれ(接触皮膚炎)とは、皮膚に何らかの物質が触れて炎症を起こす皮膚炎の一種です。かゆみや赤み、水ぶくれなどの症状が現れます。かぶれの原因としては、植物や金属、化学物質、化粧品、食品などさまざまあります。治療には、ステロイド外用薬や抗アレルギー薬、抗ヒスタミン薬などが使用されます。症状の程度や原因に応じて、これらの薬剤を組み合わせたり、内服薬を使用したりします。
いぼ
皮膚のできもののうち、ある程度小さくて盛り上がったものを一般に「いぼ」と呼んでいます。ヒトパピローマウイルスへの感染によるウイルス性のいぼや水いぼ、加齢によって発生する首のいぼや老人性いぼなど種類はさまざまです。いぼの除去にはレーザー治療や液体窒素を使用します。いぼの種類や治療法によって保険適用・自費診療となる場合もありますので、まずはご相談ください。
アトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎は、かゆみのある湿疹が慢性的に悪化と軽快を繰り返す皮膚疾患です。皮膚のバリア機能が低下していることが原因で、外界からの刺激やアレルギー反応によって発症します。かゆみを抑える抗ヒスタミン薬やステロイドなどの服用、紫外線療法での治療などがあります。
水虫
水虫(白癬)とは、白癬菌というカビが皮膚に感染して起こる感染症です。足の裏や足の指の間にできやすく、足白癬と呼ばれますが、爪や股部、体部などにも感染します。水虫は、靴下や靴の中が湿度の高い状態になることで悪化します。また、足ふきマットやスリッパの共有などでも感染します。水虫の治療には、塗り薬や飲み薬などがあります。
口唇ヘルペス
口唇ヘルペスは、単純ヘルペスウイルスに感染して唇やその周りに水ぶくれができる皮膚の感染症です。唇やその周りに痛みのある赤い小さな水疱ができ、ピリピリした違和感や痛みがあります。口唇ヘルペスは一度感染すると再発を繰り返す可能性があります。症状が出たら、できるだけ早く適切な処置を受けることが重要です。飲み薬や塗り薬を使用して治療します。
尋常性乾癬
尋常性乾癬は、皮膚に赤い発疹(紅斑)ができ、その表面に銀白色のフケのようなものができる慢性の皮膚疾患です。乾癬とも呼ばれます。肘、膝、腰、頭などの刺激を受けやすい部位や背中や太ももなどに起こります。遺伝的要因と、感染症や薬剤、ストレス、生活習慣などの環境要因が加わることで発症すると考えられています。塗り薬と飲み薬などを使用して治療します。紫外線療法を行うこともあります。
あせも
あせもとは、汗の通り道が詰まって皮膚内に汗がたまることで、皮膚に小さな水ぶくれやブツブツができる皮膚疾患です。あせもの原因は、高温多湿下で大量に汗をかいたことによる汗管の詰まりです。汗をかきやすい体質や、肥満体形、更年期障害などの影響で起こりやすいと言われています。皮膚を清潔にし、涼しい環境で過ごすことで自然に消えていきます。外用薬でかゆみや炎症を抑えることもできます。
とびひ
とびひとは細菌による皮膚の感染症で、正式には「伝染性膿痂疹(でんせんせいのうかしん)」です。火事の火の粉が飛び火するように、かきむしった手を介してあっという間に全身に広がるので、とびひと呼ばれます。
とびひの原因となる細菌は、黄色ブドウ球菌や溶血性連鎖球菌(溶連菌)などです。これらの細菌は、多くの人の鼻の中に常在しており、鼻を触る癖のある幼児や小児に多く発症します。内服薬により治療を行います。腎炎などの合併症を予防するため、医師の指示に従って内服薬を最後まで飲み切るようにしましょう。
水いぼ
水いぼは、伝染性軟属腫ウイルスに感染して発症する皮膚疾患です。正式には伝染性軟属腫と呼ばれ、皮膚の小さな傷や毛穴からウイルスが入り込んでいぼになります。水が入っているような光沢のある柔らかいいぼで、痛みやかゆみはありませんが、いぼが大きくなると中心部がへこんできます。水いぼは、皮膚の接触やタオルの共用などで感染することが多く、特に乾燥肌やアトピー性皮膚炎などのお子さまなど肌のバリア機能が低下した方に多く認められます。
ピンセットでつまんで白い中身(ウイルスの塊)を出すことが最も早くて確実な治療法です。